最近、軽自動車でサーキットを走るようになって、「K4GP」というレース名をよく耳にするようになりました。このドライバーや車両は、K4GPにもエントリーしている人や車両だとか、K4GPではこんな車種が人気があるだとか、いろいろ聞いていると興味も出てきます。
私自身はエントリーしているわけではありませんが、関心を持っている人も多いかと思いますので概略を調べてみました。
K4GPについての概要
K4GPは耐久レースの1つですが、他の耐久レースと性質が大きく異なる点が1つあります。それは、速さだけを競うものではないということです。耐久レースは本来、限られた時間内にいかに多くの周回数を重ねるかということでチーム順位が決められます。
K4GPは、限られた量の燃料を使っていかに効率よく走れるかということがポイントになります。公式サイトにも「エコラン競技」であることが明記されています。車両もドライバーも軽量化を含めた対策と、ドライバー自身のドライビングスキルが大きく求められるのがK4GPと言えます。

そのほかの主要ポイントは次のとおりです。
✅出走には「K4-GPライセンス」または「FISCOライセンス」が必要
✅本番大会前に練習走行の機会が設けられている
✅主な必須装備として4点式以上のシートベルト・ロールケージ・前後牽引フックが挙げられる
✅タイヤは自由
✅細かいクラス分けがされており、2025.11月時点では10クラスとなっている
今年、2025年に関しては次の日程で開催されました。
| 開催日程 | 耐久時間 | リザルト |
|---|---|---|
| 2025.2.8(土) 予選・練習走行・車検 2025.2.9(日) 耐久(9〜16時) | 7時間 | 全129台 総合リザルト |
| 2025.8.13(水) 耐久(12〜17時) *車検・練習走行は当日午前開催 | 5時間 | 全77台 総合リザルト |
| 2025.8.13(水) 練習走行・車検 2025.8.14(木) 耐久(8〜18時) | 10時間 | 全128台 総合リザルト |
開催場所は、「FISCOライセンスが必要」とのことからも富士スピードウェイでの開催のみです。

開催クラス
開催クラスは全部で10クラス、大まかな内容についてのみ公式サイトより引用しておきます。
| クラス名 | クラス内容 |
|---|---|
| GP-1N | T車両に属する、トランスミッションはAT、エンジンはNAの車両とする。 |
| GP-1T | T車両に属する、トランスミッションはAT、エンジンは過給機付の車両とする。 |
| GP-2F | T車両に属する。1998年10月に施行された現在の軽自動車規格に沿った車両であり、トランスミッションはMT、エンジンはNAの車両とする。なお、ロボタイズMT(スズキAGSなど)はMT車とし、このクラスに属する。 |
| GP-2 | T車両に属する。1998年10月に施行された現在の軽自動車規格の「改定前の規格」に沿った車両であり、トランスミッションはMT、エンジンはNAの車両とする。 なお、ロボタイズMT(スズキAGSなど)はMT車とし、このクラスに属する。 |
| GP-3F | T車両に属する。1998年10月に施行された現在の軽自動車規格に沿った車両であり、トランスミッションはMT、エンジンは過給機付の車両とする。なお、ロボタイズMT(スズキAGSなど)はMT車とし、このクラスに属する。 |
| GP-3 | T車両に属する。1998年10月に施行された現在の軽自動車規格の「改定前の規格」に沿った車両であり、トランスミッションはMT、エンジンは過給機付の車両とする。なお、ロボタイズMT(スズキAGSなど)はMT車とし、このクラスに属する。 |
| GP-4 | R車両でエンジンはNAの車両とする。 |
| GP-5 | R車両でエンジンは過給機付の車両とする。 |
| GP-NO | N-ONEオーナーズカップのレギュレーションに適合した車両、または国交省の定める道路運送車両法に合致するターボ車両であること。(陸運局の車検に通ること)NA車両のターボ化、CVT車両のMT化も可能。メーカーの垣根を越えて同じ土俵で戦える車両であること。 |
| GP-M | カーボンニュートラル対応ユニットを搭載した車両(水素/CN燃料/BEV/HEV等)、その他の車両を指す。安全規定を満たし、事前の申請を承認された車両でなければならない。 |
非常に細かくクラス分けされていますが、おそらく公平性を保つことが趣旨だと思われます。なお、上記レギュレーション規定に出てくる「T車両」は一般的に「箱車(ハコ車)」と呼ばれる車、R車両というのは規定の範囲内であれば自由に車両製作が可能な車です。
どんな車種がエントリーしているの?
2025.8月に開催された5時間耐久のエントリーリストからどんな車種が出場しているのかを調べてみました。
| クラス名 | クラス概要 | エントリー車種【メーカー】 | ファステスト記録 | 優勝車種 |
|---|---|---|---|---|
| GP-1N | AT・NA | ミラジーノ・ミライース【ダイハツ】 トゥデイ【ホンダ】 | ミライース | ミライース |
| GP-1T | AT・過給機 | ヴィヴィオ【スバル】 アルトワークス【スズキ】 | アルトワークス | アルトワークス |
| GP-2F | MT・NA | エッセ・ミラ【ダイハツ】キャロル【マツダ】 アルト・アルトバン【スズキ】プレオ【スバル】 | アルト | アルト |
| GP-2 | MT・NA | トゥデイ・ビート【ホンダ】 | ビート | トゥデイ |
| GP-3F | MT・過給機 | アルト・アルトワークス・アルトラパンSS【スズキ】 コペン・エッセ・ミラ・ミライース【ダイハツ】 ケータハムセブン【ほか】 | ケータハムセブン | エッセ |
| GP-3 | MT・過給機 | ヴィヴィオ【スバル】トゥデイ【ホンダ】 ミラ【ダイハツ】アルトワークス・カプチーノ【スズキ】 | カプチーノ | カプチーノ |
| GP-4 | R車両・NA | Carbonnara MCS50・LOSTMANS【ほか】 ザウルスジュニア【日産】 サンバー【スバル】 | LOSTMANS | ザウルスジュニア |
| GP-5 | R車両・過給機 | エントリーなし(クラス不成立) | なし | なし |
| GP-NO | N-ONEレース車 ほか | N-ONE【ホンダ】 | N-ONE | N-ONE |
| GP-M | 水素・CN燃料・ BEV・HEV車両 | トゥデイ【ホンダ】 | トゥデイ | トゥデイ |
車両規定やクラス分けの内容から、やはり「GP-2F」・「GP-3F」クラスのエントリー台数が圧倒的に多い傾向にあります。スズキであればアルト、アルトワークス、ダイハツであればミラ、エッセといった参戦車両を用意しやすいクラスなので参加台数の多さも比例しているのでしょう。
【本記事のまとめ】速さプラス燃費マネジメントが必要なK4-GP
以前から軽自動車の耐久レース自体は開催されていました。2022年に初めて、「K4-GP」という名称で耐久レースが開催されるようになってからはまだ3年です。毎年、基本的には2月・8月の年2回、富士スピードウェイで開催されているK4-GP。一般的な耐久レースとは趣旨が少し異なっており、速さだけではなく燃費マネジメントも求められる同レース。
参加台数は130台近くまで上ります。スポーツ走行であれば話は別ですが、富士スピードウェイでのレースなんてなかなか出られる機会は少ないはず。ぜひ、仲間でチームを組んで表彰台にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

レースといえばマニュアル車で、というイメージがありますがオートマ車のクラスも用意されているので性別も年齢も幅広いドライバー構成のチームでチャレンジできるメリットはありますね。また、車両も用意しやすいですよね。
















「燃費重視」という一般的な耐久レースとは違った観点から運営されているのが難しいポイントでもありますよね。そこが人気の秘訣でもあったりするようですね!