ブレーキメーカーのDIXCELにはスカラシップ制度があります

モータースポーツに参加すれば色々な場面で一定のお金がかかってしまうのが現実です。例えば、大会に出ることを想定すれば、事前に車両の整備やメンテナンスをしなければいけない。状況によってはパーツをバージョンアップをしなければいけない。大会に出て、ある程度の成績を収めようとすれば、事前の練習走行だってある程度は必要になる。エントリーフィーだってかかってしまう。車が壊れてしまったら修理費、会場までの交通費・宿泊費、ガソリン代、何においても加算されていく一方なのです。

JAFの公式大会に出るために実際いくらくらいかかる?【全部公開!】

Hiisuke

私が出場したJAF公認のタイムトライアル大会を例に計算してみます。今回、出場したのはJAF公認の大会とはいっても楽しむ要素が強いタイムトライアルです。これが、レースなどになるともっと多額のお金がかかりますのであくまでも参考例としてお読みください。

今回、出場したのはJAF公認のタイムトライアル大会でしたが、ポイントがいくつかあります。

  • JAFライセンス(国内B以上)が必要になる(クラスによってはライセンスなしでも出場可能)
  • ノーマルに近い車両でもエントリーが可能
  • 車両規定により大幅なチューニングは禁止されている
  • 軽自動車のみエントリーが可能

大会エントリーを見据えて準備した3ヶ月くらい前からかかった経費の一覧です。大会前に練習走行を2回(1枠50分間の計100分)走りました。

時期内容金額
2025.7.20エンジンオイル交換¥5,627-
2025.7.21スパ西浦(練習走行代)¥12,210-
2025.7.21スパ西浦練習(高速代)¥2,540-
2025.7.21ブレーキ一式交換(強化)¥84,920-
2025.7.21クーラント交換¥5,456-
2025.7.21エアクリーナーフィルター交換¥2,643-
2025.7.21ラジエーターキャップ交換¥2,169-
2025.7.24レーシンググローブ新調¥6,800-
2025.7.27エンジンプラグ交換¥4,820-
2025.8.24CVTオイル交換¥13,960-
2025.8.25大会エントリーフィー¥11,000-
2025.9.15牽引フック取り付け(車両規定あり)¥14,520-
2025.9.15スパ西浦(練習走行代)¥12,210-
2025.9.15スパ西浦練習(高速代)¥3,060-
2025.10.7備品購入(走行必要品)¥3,275-
2025.10.13タイヤ交換(ホイール込み)¥69,000-
2025.10.13オイル交換・エンジンフラッシング¥11,000-
2025.10.19(大会当日)スパ西浦練習(高速代)¥2,140-
そのほか練習2日・大会日のガソリン・朝食¥12,000-
総合計¥279,350-
練習走行および大会当日のガソリン代・朝食代は1日につき¥4,000-にて計上

サーキット1周のベストラップを競うだけでも、かなりの金額がかかっています。レースだったらと思うと流石に参戦回数を気にしてしまう人の方が圧倒的に多いはずです。もちろん、今大会限りのためだけの出費ではない部分も多々あります。タイヤは一般道でも十分使用できますし、その他のメンテナンスを含んだ出費となっていますので、金額に関しては参考程度に見て頂ければと思います。

スポンサーとは?

よくプロフェッショナルな競技の世界では「スポンサー」という言葉を耳にします。必ずしも全てに当てはまるわけではないですが、競技者が身につけるユニフォームなどに企業名やサービスの名前が記載されていることは多くあります。

例えば、レースの世界の場合だとレーシングスーツにスポンサー企業の会社ロゴやサービス・商品の名前が入っていたり、レーシングカーに入っていたりします。資金面でのスポンサーだけでなく、物品などの提供をしてもらっているケースも多々あります。もちろん資金提供と物品提供の両方というケースだってあります。

色々な提供を受ける代わりに、ドライバーやレーシングカーで観客への宣伝広告を行い、知名度をさらに上げたり、ブランディングに貢献をして、最終的にスポンサー企業にとってメリットとして還元できるようにするのがスポンサーの大きな目的です。

Hiisuke

例えば、ドライバーのレーシングスーツだと写真を撮った時によく名前が見える胸元よりも上のところに書かれている会社名はメインとなるスポンサーであることが多いです。自動車メーカーなどのロゴは大体この位置に書かれていますね。またロゴが大きいほど、より多くの資金提供をしていると言われています。

DIXCELのスカラシップ制度

DIXCEL(ディクセル)というブレーキパーツメーカーがあります。キャリパーのラインナップはありませんが、ブレーキパーツメーカーとしては著名な会社の1つです。また、国内主要レースであるsuperGTやスーパー耐久へのサポート実績も豊富に持っています。

出典 DIXCEL(©︎株式会社ディクセル)

DIXCELには一般のユーザー向けにスカラシップ制度を展開しています。スカラシップは本来、「奨学金」を意味しますが、成績優秀な人に対しての支援ということで、ユーザーが出場した競技会の成績により「ポイント」を貯めていってDIXCELの製品と交換ができるという制度です。

出典 DIXCEL(©︎ディクセル)

大まかな流れとしては、次の通りです。

  1. 規定金額以上のディクセル製品を購入
  2. 事務局に申請(レシートまたは購入明細のコピーが必要
  3. ディクセル所定のステッカーをエントリー車両に貼り付け
  4. 事務局からのスカラシップ参加についての正式通知
  5. 参加申込した時に申請した所定のエントリーネームをきちんと使用して競技への参加
  6. 競技結果を速やかに事務局へ送信
  7. スカラシップポイントの付与
  8. ポイントを貯めてディクセル商品との交換
Hiisuke

スカラシップですので、スポンサーとは性質は異なりますが、サポートしてもらっているという認識をきちんと持って、レスポンス早く対応をする必要はありますよね!

スカラシップ申請に関しての注意点

申請には注意点があります。先ほど、マーカーをつけた部分が注意点にはなりますが、改めて写真と共に確認をしていきます。まず、スカラシップ申請の申し込みをして、受理をされると車体に貼り付けるためのステッカーが送ってもらえます。

一旦、登録完了の案内が同封されていますので、改めて書面を読むようにしましょう。その文面には、ステッカーを貼り付けた登録車両の写真を送るように指示が書かれています。

Hiisuke

ステッカーを貼る位置、貼り方、そして写真を撮る方向などに関して細かい規定が書かれていますので自分でよく読んで間違えないようにしましょう。

実際に、送付した写真の一部です。サイドを見れば、どのブレーキパッドを使っているのかが一目瞭然で分かります。ちなみに、私は「Z」というブレーキパッドを使用しています。

また、スカラシップへの登録期間は2パターンあります。自分自身の参戦計画を含めて、1年コースでの登録なのか2年コースでの登録なのかをきちんと考えて行いましょう。

Hiisuke

ちなみに、私は2年間の登録をさせていただきました。

他のメーカーのスカラシップ制度

ここ最近は、スポンサーの減少だけにとどまらず、スカラシップ制度を行なっているメーカーの数も少なくなってきていると聞きます。実際に、どれくらいの会社が行なっているかを調べてみました。

会社パーツ特徴
エンドレスブレーキレースがメイン
Moty’sオイル二輪もサポートあり
横浜ゴムタイヤJAF地方選より上のクラスがメイン
山添産業タイヤ幅広いサポートカテゴリー
GOODRIDE  JAPANタイヤ幅広いサポートカテゴリー
ダンロップタイヤジムカーナのみ
wedsホイールレースがメイン
リンク先は各会社のスカラシップ説明ページとしてあります

ドライバーにとって、タイヤ、ブレーキ、オイルなどの消耗品は特に嬉しいはずです。上記以外のメーカーでも色々な取り組みをしていますので、自分が好きなブランドに関しては十分なリサーチをしてみると良いでしょう。

【本記事のまとめ】DIXCELを始めとしたパーツメーカでのスカラシップ制度は特にアマチュアドライバーにとっては大変ありがたい存在

K4 PARKの編集長はDIXCELスカラシップに参加しています。私自身は、参戦回数も少なく、全国転戦するようなカテゴリーに参加していません。ただ、それでも多額の出費があることは事実です。アマチュアドライバーでスポンサー企業が付いているような方は非常にレアなことでしょう。そういったドライバーにとっては、各メーカーが展開するスカラシップ制度は非常にありがたい存在です。

いろいろ調べていくと、意外と各方面で色々な企業がスカラシップを展開しています。

ただ、それらの恩恵を受けようと思えば、やはり競技会での「優秀な成績」が求められるもの。色々なカテゴリーでたくさん練習をして、自分自身のスキルアップも欠かさずやっておきたいものです。

Hiisuke

私はDIXCELのスカラシップに参加させてもらっていますが、やはりより多くのカテゴリーでポイントがつけてもらえるというのは特に嬉しいものです。レースだけ、ジムカーナだけ、といった形になると一般のドライバーとしてはハードルが高く感じるかもしれませんね。

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武内 広明
K4 PARK運営者&編集長。現在の愛車はダイハツミライース。軽自動車の魅力をもっと多くの人たちに伝えたいと考えています。たまに、レーシングカートやクロスバイクに乗って遊んでいたりもします。