JAF競技ライセンスには四輪とカートで相互発給制度があります

日本国内で車を使った競技に参加しようとすれば、JAF競技ランセンスが必要となります。全世界で開催されている公式モータースポーツ競技は全てFIAの管轄であり、日本ではJAFが管轄している形となっています。

とはいっても、競技ライセンスは種類ごとに細かく分かれています。また、競技ではなくオフィシャルとしてのライセンスも存在しますが、本日は競技ライセンスに限定した内容となります。

Hiisuke

国内ではJAFを通さない形式でのレースも各地で開催されております。JAFを通さないということはJAFライセンスなしで出走はできますが、その代わり独自の講習やライセンスが必要となるケースも多々ありますのでご注意ください。

JAF競技ライセンスとは?

JAFが公認している競技会に参加する場合、まず必要となるのがJAF競技ライセンスです。短縮して「JAFライ」などと呼ばれることもあります。競技ライセンスとはいっても種類はとても多く、それぞれのライセンスによって出場できるレースが分けられています。

例えば、JAF四輪ライセンスの場合は次のような種類があります。

ライセンスの区分出走できる代表的なレース・競技
スーパーライセンスF1(Formula One)
国際Aライセンススーパーライセンス取得のためのライセンス
国際BライセンスWEC(世界耐久選手権)・スーパーフォーミュラ・スーパーGT
国際C-Cライセンス上記以外の国際格式のレース
国際C-RライセンスWRC・APRC(アジアパシフィックラリー選手権)・ダカールラリー
国際ドラッグレースライセンス国際のドラッグレース
国際ソーラーカーライセンスソーラーカーレース鈴鹿(2022年以降は開催なし)
国内Aライセンスレースに出るために必要
国内Bライセンスラリー・ジムカーナ・トライアルなど(スピード競技)

また、JAFカートライセンスはもっとシンプルですが、年少ドライバーから競技に出ることもできるので、一部年齢による区分けが見られます。

区分     年齢区分や出場できるカテゴリーについての解説(JAF公式サイトより引用)
国際E15歳以上の者で、CIK-FIAグループ1&グループ2選手権、カップ、トロフィーおよびCIK-FIAグループ1&グループ2国際格式競技、ならびにすべての国内格式以下の競技会にカートドライバーとして有効。ただし、18歳未満の者は親権者の承諾を必要とする。
国際F14歳の者で、ジュニアカテゴリーを除くCIK-FIA公認の国際格式競技会(ギヤボックスなしのカテゴリー)およびすべての国内格式の競技会(ギヤボックスなしのカテゴリー)にカートドライバーとして有効。親権者の承諾を必要とする。日本カート選手権競技会については別途定める日本カート選手権規定が適用される。
国際G12歳から13歳の者で、CIK-FIA公認のジュニア国際競技およびすべての国内格式以下の競技会(ギヤボックスなしのカテゴリー)にカートドライバーとして有効。親権者の承諾を必要とする。日本カート選手権競技会については別途定める日本カート選手権規定が適用される。
国内Aすべての国内格式以下の競技会にカートドライバーとして有効。ただし、18歳未満の者は親権者の承諾を必要とする。
ジュニアA12歳から14歳の者で、ジュニア国内格式以下の競技会およびすべての準国内以下の競技会にカートドライバーとして有効。親権者の承諾を必要とする。ただし、第2種コースにおけるFC-2、KZ2、KZ1、Superkartを除く。日本カート選手権競技会については別途定める日本カート選手権規定が適用される。
国内B準国内格式以下の競技会にカートドライバーとして有効。ただし、18歳未満の者は親権者の承諾を必要とする。
ジュニアB8歳から11歳までの者で、FP-Jr Cadets車両によるジュニア準国内以下の競技会にカートドライバーとして有効。また、12歳から14歳までの者で、ジュニア準国内以下の競技会およびすべての制限付き以下の競技会に競技運転者として有効。ともに親権者の承諾を必要とする。ただし、第2種コースにおけるFC-2、KZ2、KZ1、Superkartを除く。日本カート選手権競技会については別途定める日本カート選手権規定が適用される
ライセンスについての個別説明はJAF公式サイトより引用

ライセンスに互換性はあるの?

例えば、幼少期からレーシングカートでレースに出ていたドライバーが四輪のレースにエントリーをしようと考えたり、逆に四輪の競技に参加していたドライバーがレーシングカートのレースに出たいなと考えた時に、ライセンスはそのままで違うカテゴリーに出ることは可能なのでしょうか?

Hiisuke

結論から言えば「不可」です。所有ライセンスが違うカテゴリーでは、エントリーすらできません。そのカテゴリーの競技ライセンスを持っている人だけが出走できるのです。

まず、所有しているのがJAFカートライセンスの場合は四輪の競技には出られません。同じく、所有しているのがJAF四輪ライセンスの場合もレーシングカートのレースには出られないのです。四輪の競技にも、レーシングカートのレースにも出走したい場合、それぞれのライセンスが必要となるのです。

つまり、JAF四輪ライセンスとJAFカートライセンスの2枚のライセンスが必要になるのです。

とは言っても、また1からライセンスの取得をするのは手間が掛かり過ぎるため、書類の申請だけでライセンスが取得できる「相互発給の制度」が設けられています。ただし、どんなライセンスであっても申請できるといったことはなく、一定の制限が設けられています。

JAF書類様式

申請様式を見ると、次の相互申請だけが可能です。

現有ライセンス【四輪ライセンス】発給希望ライセンス【カートライセンス】
国内A国内A・国内B
国際A・国際B・国際CーC・国際CーR国内A・国内B・国際E
現有ライセンス【カートライセンス】発給希望ライセンス【四輪ライセンス】
国内A国内B
国際E国内A・国内B
現有ライセンス【四輪ライセンス】発給希望ライセンス【四輪ライセンス】
国内A限定国際ソーラーカー
限定国際ソーラーカー国内B
Hiisuke

競技運転者に限定すると相互発給が可能なのは、これらの6つの区分だけということになります。

ライセンス相互発給制度の申請方法

申請方法の流れは次のとおりです。

  1. 住んでいるエリアを管轄するJAFの窓口に電話で問い合わせをする
  2. 所有している競技ライセンスを確認してもらう
  3. 相互発給制度を使いたいライセンスを伝える
  4. JAFから「相互発給申請書」と「競技運転者許可証・公認審判員許可証交付申請書」が届く
  5. JAF職員の方が途中まで記入してくれている書類を完成させる
  6. 書類2部とライセンス発行金額を添えて、各都道府県の支部・エリア本部に現金書留で郵送または直接持参
  7. 仮ライセンスが自宅に郵送で届く
  8. 正式なカードタイプのライセンスが郵送で届く

郵送にしても、持参にしても、間違えないようにきちんと住所を確認するのを怠らないようにしましょう。なお、新しく手続きを行うライセンスの発行料金は年始の1月であっても、年末の12月であっても、同じ料金です。無駄な出費を防ぐためにも、早い段階で手続きを行うか、急ぐ必要がなければ翌年に持ち越しをしてしまうのも1つの方法だと言えます。

【本記事のまとめ】JAFライセンスの相互発給制度は活用すべき便利な制度

本日はJAFライセンスの相互発給制度について記事を書かせて頂きました。JAF四輪ライセンスを持っている競技運転者が書類の手続きだけでJAFカートライセンスを申請できたり、JAFカートライセンスを持っている競技運転者がJAF四輪ライセンスを取得できるという便利な制度です。

見比べてみると、JAF四輪ライセンスの方がJAFカートライセンスよりもグレードが高い位置付けにあるのかもしれません。実際に、一例として「JAF四輪ライセンス(国内A)」を所有している人は「JAFカートライセンス(国内Aまたは国内B)」への発行申請が可能です。一方で「JAFカートライセンス(国内A)」を所有している人は「JAF四輪ライセンス(国内B)」 のみ申請が可能です。

Hiisuke

すでにJAF競技ライセンスを持っている人にとっては、とても便利で活用すべき制度と言えます。

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